睡眠部屋

超不定期日記です

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『君と僕の寂しい生活』×2(後)

「だから幽霊ですってば」
「お化けの証拠は?」
 お化けとはまた、随分と可愛い言い方をするもんだ。
 しかし、証拠か。
「浮いてるし」
「そんなん、さっきも言った浮遊プログラムで出来るやろ?」
「こっちからの接触を防いだり、壁をすり抜けたり」
「どっちも工業用のプログラムで出来るやん」
「飯を食わなかったり」
「常に一緒な訳じゃないやろ?」
「外に出られないらしいし、記憶も無いらしいし」
「嘘かもしれんよ?」
「最初から居たし」
「不法侵入とちゃう? だったら記憶が無いとか出られないとかいう嘘の理由になるし」
 思い付く理由を全て論破され、何だか自信が無くなってきた。確かに姐さんの言うこと
には筋が通っているし、寧ろ、僕の方が騙されているという可能性の方が高いようにすら
思えてくる。いや、論理的に見ればそうなのだろう。
 しかし、どうしても幽霊だという可能性を捨てきれないのも事実だ。
 短い期間とはいえ、一緒に暮らしてきた僕だから思う理由。あいつは確かに性格も悪く、
僕をいつも邪険にする。朝は嫌なものでも見たようにに眉根を寄せ、昼は邪魔だと足蹴に
して、平日も仕事から疲れて帰ってきた迷惑そうに扱う。
 だが、嘘は言わない。
 真っ直ぐなのだ。
 今まで嘘を言うのを聞いたことが無いし、喧嘩をしても非があると認めたら必ず謝る。
 良い部分は、まだある。
 嫌そうな表情を浮かべながらというのは残念な話だが、僕が疲れていると食事を作って
くれるし、風呂も沸かしてくれる。几帳面な性格らしく、掃除も洗濯もしてくれる。自分
が嫌だからと口では言っているが、僕のものまできちんと整理してくれているのだ。
 そんな『君』が嘘吐きであるなどと、思いたくなかった。
 だから、
「あいつは、絶対に幽霊です」
 きっと、その話も本当なのだ。
 分かった、と小さく呟いて姐さんはフォークを置き、
「君がそこまで言うなら、本当なんやろ。疑うて悪かった、謝るわ」
 信じてくれるだけで良かったので、そこまで恐縮されると妙なものがある。
「お詫びに、これあげるわ」
「さりげなくタルトを押し付けないで下さい」
 危ない、つい流れで受け取るところだった。
「しゃあない、もうウチが食うわ。後で後悔しても知らんよ?」
 一つ思い出す。
「それ、一つで一万キロカロリーらしいですよ?」
 姐さんは顔を青くした。
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  1. 2007/06/18(月) 00:18:45|
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