睡眠部屋

超不定期日記です

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『君と僕の寂しい生活』×1(前)

「貴様、そこをどけ。画面がよく見えん」
 ぐいと頭を押され、横から伸びてきた君の顔が前に出る。仮にも今の部屋の主は僕だと
いうのに、君の行動には何の遠慮もない。しかし僕とてされっぱなしというのも、あまり
気分が良いものではない。先程されたように僕も君を押し返そうとすると、やはりいつも
のように体をすり抜けてしまった。相手から触ることは出来るのに自分からは触れない、
何て理不尽なんだろう。悔しいので僕は寝そべり、君のスカートの中に頭を突っ込んだ。
僕からの行動なので当然のようにすり抜けるが、頭が通過した布の奥には薄桃色の布地が
見える。これが僕が可能な僅かな報復なので文句は無いだろう。触れない代わりに、こう
やって精神的な攻撃をすれば良い。
 絶景を堪能して頭を引き抜くと、君が物凄い表情でこちらを睨んできた。
「どうした、テレビ見ないのか?」
「貴様は何故平然とそんなことを言うんだ!?」
 言って、君は僕の頭に膝蹴りを打ってくる。
 第一印象が最悪に近い出会い以来、僕達は毎日こんなやりとりをしてきた。相手が例え
幽霊だとしても、非科学的な攻撃をしてこなければ、人間と変わらない。食事を取らない
ということと常に宙に浮かんでいることを除けば、彼女は只の目付きと性格が悪くて暴力
的な普通の少女だ。普通とは少し違うかもしれないが、義妹が彼女によく似た性格の為、
あまり気にはならない。外見が変わっただけで、以前住んでいた場所での普段の生活と特
に大きな変化は無いのだ。そんな意味では、救われているとさえ思えた。
「後は乳さえ大きければ」
「失礼な、取り敢えずCはある!!」
「嘘こけ」
 更に何か言いたそうに君は顔を赤くし、拳を振り上げた。
 電子音。
「あ、はい。今出ます」
 鋭い軌跡の拳を避けつつ玄関に向かう。
「うっす、旦那」
 扉を開くと、姐さんが立っていた。職場の同僚で、僕の同期でもある。首にあるのは赤
色の首輪、Aランク罪人の証であるものだ。何をしでかしてここに入ってきたのかは知ら
ないし、興味も無い。監獄都市に居る人間は役人と二世を除けば全ての人間が犯罪者だが、
過去に触れるのは基本的に失礼だからだ。例えそれがSSランクだろうがFFランクだろうが、
それは変わらない。事実、僕は実の両親が何をしたのかや、義理の両親が何をしたのかも
知らない。娑場ではどうか分からないが、それが普通になっているのである。
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  1. 2007/01/16(火) 14:42:18|
  2. SS
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