睡眠部屋

超不定期日記です

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『君と僕の寂しい生活』×1(後)

 姐さんはあだ名にふさわしい、不適な笑みを浮かべて僕の背後を見た。
「旦那、大したもんやわ。付き合い悪いと思っとったら、なるほどな」
 背後を見ると、不機嫌そうな表情のまま君が立っていた。流石に他人の前では浮くのは
不味いと判断したのだろうが、そうするくらいなら初めから黙って出てこなければ良いと
思った。妙な噂が広まって会社に居辛くなるのは勘弁だ、僕はまだ実家に一度しか仕送り
をしていないというのに。
「しかし、旦那も健気やね。彼女の為に皆とも遊ばんで」
「違」
 わなくも無いのだろうか、ある意味彼女の為に頑張っている訳だし。いつも誘いを断る
ときに言っている金欠も本当のことだが、もう一つの理由は彼女の名前探しだ。アパート
から出られない彼女の代わりに様々な場所を探し歩いているのだが、この都市もそれなり
に広いので時間がかかる。だから僕は、普段は仕事が終わると速攻で会社を出て頑張って
いるのだ。成果がなかなか挙がらないのを君は責めるが、こうして姐さんが言ってくれた
ことで態度が緩和してくれることを切に願ったりする。
「それより、用件は何ですか?」
「ん? あまりにも付き合いが悪いから遊びに誘おうと思っとったんやけど」
 姐さんは頭を掻き、ばつが悪そうに君を見た。確かに状況だけ見れば君は僕の彼女だと
思うだろうし、そんな人の前で僕を誘うのは気が咎めるだろう。視線で意見を求めると、
君はつまらなそうに見返してきた。
「私も貴様が居ない方が気分が良い、一人で居た方がよほど楽しく過ごせるというものだ。
さっさとその女と出ていけ、良かったらもう帰ってこなくても構わんぞ?」
 そう言って君は奥へと引っ込んだ。これは遊びに行く許可を貰ったということだろうか、
あまりにも酷い言い方のせいで釈然としないものがあるが。僕は無理矢理に笑みを浮かべ
姐さんを見た。苦笑になっていないと良いのだが。
「で、どこに行きますか?」
「ええの、あの娘?」
 良いも何も、突き放してきたのは君の方だ。
「多分大丈夫ですよ、あんな態度はいつものことなので」
「……旦那も苦労してるんやね」
 苦労してます。
 少しでも気が楽になるように、気を紛らわせるように、僕はどこに行こうか考えた。
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  1. 2007/01/16(火) 14:44:31|
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